ゲッサン版アイドルマスターミリオンライブ!を語りたい

今まで語りたくて語りたくて仕方がなかった、ゲッサン版『アイドルマスター ミリオンライブ!』のダイマ記事です。

 

※この記事では漫画アイドルマスター ミリオンライブ!の一部ネタバレが含まれますのでご注意ください。

 

 

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・概要

作者門司雪先生によるアイドルマスター ミリオンライブ!は、小学館の月刊誌『ゲッサン』で2014年から約2年間連載されていました。

全5巻の漫画で、完結から数年経った今でもその人気は色あせることなく、重版も時折されているそうです。

少年誌に掲載されていたからか青春要素の強い王道展開、魅力あふれるキャラ描写、そしてアイドルたちの成長。コミカライズの枠組みに収まらない完成度を持ったこの作品は、まさに"聖典"と言って差し支えないでしょう。

私自身、この漫画を入り口としてミリオンライブの沼に浸かったので、この漫画に対する思い入れはとても強いです。

 

 

本編では春日未来、最上静香、伊吹翼の3人が主要人物となり物語が進行していきます。

 

特に「武道館で歌う」目標がある静香は、自分には時間がないと発言する理由も含めて心情描写が多分に盛り込まれています。後半部分で静香を取り巻く環境は大きく変化し、アイドルとして大きな選択を求められる場面もあります。

 

とはいえ、未来は影が薄いかというと、全くそんなことはありません。

滑り出しこそ順調な未来でしたが、物語が進むにつれてユニット活動ができなかったり、なかなか静香と同じステージに立てなかったり、と結果だけ見ればなかなか悲惨な境遇を辿っています。

それでも物語の雰囲気として暗くなりすぎず、終始温かい雰囲気に包まれているのは、未来が振りまく「でへへ~」オーラのなせる業でしょうか。

 

もまた主要人物として活躍しており、特に3巻では翼を中心とした物語になっています。普段は超がつくほどマイペースですが、ステージ上では高いポテンシャルを見せて輝くその姿は、未来や静香に強い影響を与えています。

 

 

3人以外のアイドルも見せ場はたくさんあります。

遊園地の子供に英語攻めされて泣くエミリー、何もないところでつまづく裸眼の紗代子、勢いよくスルーされる茜ちゃん…小っちゃいコマすら見逃せない小ネタが詰まっています。

どのアイドルも表情が生き生きとしており、当初アイドル37人も覚えられねえよ!と嘆いていた私でも、読了する頃には登場人物全員に興味が沸くくらい魅力的に映っていました。

 

 

ちなみに余談ではありますが、連載時期は今のミリシタではなくGREE版『アイドルマスター ミリオンライブ!』がミリオンの主なコンテンツでした。

アイドルの属性もPrincess、Fairy、Angelというのはなく、VocalDanceVisualの3つの属性によって振り分けられていました。ゲッサン版『アイドルマスター ミリオンライブ!』でも、一部Vocal、Dance、Visual属性の振り分けを意識した描写が用いられていたように思います。

 たとえば、ボーカル全振りのジュリアはダンスはからきしだったり、ツアーのバックダンサーオーディションに合格したエレナ・海美・歩・麗花の4人は全員Dance属性だったり、Visual属性の恵美がアイドルに疎い未来でさえ知っているぐらい有名なファッションモデルとして名を馳せていたり…などなど。

他にも、クレシェンドブルーのユニット練習時、明らかにダンス巧者として描写されていた茜ちゃんも、何を隠そうDance属性です。

一コマ一コマの密度が濃い漫画なので、見返すことによってまた新たな発見があるかもしれません。

 

 

さて、ここからはストーリーについて触れていきます。

とはいえ、未来たち主人公のストーリーについて触れていくと一部ネタバレどころでは済まないため、今回は別のアイドルをピックアップして語っていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ジュリアというアイドルについて

こいつ自分の担当を語りたいだけじゃねーか!というツッコミは受け付けないとして、この作品におけるジュリアの心情描写は刮目すべき点が多々あります。

 

ジュリアの初登場は2巻で、主な出番は3巻から。

 次のジュリアの定期ライブで翼と瑞希がジュリアの曲のコーラス担当となり、チームが結成されました。

以下の画像は定期ライブ前日のリハーサルシーン。

 

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かっこいいですよね。かっこいいんです。

「いつものカッコでギター持ってりゃどんなステージも平気」、このセリフがジュリアのセリフの中で一番好きです。

 星がトレンドマークのロックメイク、自己流のファッション、そしてギター。

この恰好こそがジュリアの人生の証で、自分が一番自分であれる姿なのでしょう。この姿ならどんな逆境のステージでも胸を張って歌うことができる、そう思わせるだけの説得力があります。

 

この後なんだかんだあって翼、ジュリア、瑞希の3人は一日で新曲『アイル』を作り上げ、ことになります。

『アイル』はとてもいい曲なのですが、私が 『アイル』を語りだすとただの厄介オタクと化すので、この話はまた別の機会にということで…。

 

 

『アイル』の話を通じて翼が新たなステップへ踏み出したわけですが、ジュリアの成長を語る上において4巻のアイドルフェスティバルは外せません。

 

アイドルフェスティバルは多くのアイドルが参加する祭典です。ジュリアは翼、瑞希、紗代子、百合子の5人でユニットを組んでフェスに挑むことになります。

 

ゲッサン版『アイドルマスター ミリオンライブ!において未来が765プロ50人目のアイドルとなっていますが、未来の初ライブでステージに出ず裏方に回っていたジュリアも、比較的最近765プロに加入した設定のような気がします。

少なくとも、普段のロックな恰好以外でアイドルのステージに立つのは、このフェスが初めてだったのではないでしょうか?

 

『アイル』披露後、ジュリアはプロデューサーに「新たな夢でも追ってみる」と言っていました。その夢の具体的な内容はわかりませんが、それがアイドルとして歩んだ道の先にあることは間違いありません。

 

不慣れなダンスを覚え、ロックメイクやギター抜きでステージに立つことになったジュリア。さすがに緊張するようで、控室で足がすくんでいました。

3巻ではカッコいい側面のジュリアを、4巻では可愛い側面のジュリアを見ることができます。このバランス感覚こそが門司先生の真骨頂なんだと思います。

ここでジュリアを鼓舞する役割が翼というのもまた良いですね。歌のことではジュリアがリードしていましたが、アイドルのステージ上では翼がリード。こういう得手不得手によって互いの位置が変わる関係性が好きです。

 

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そんなジュリアが挑んだアイドルフェスのステージ。

翼がセンターで全員ポンポンを持っていることから、曲は『恋のLesson初級編』だと思われます。アイドルっぽい歌をおそらく初めて歌うであろうジュリアに、カワイイがフルスロットルのこの選曲、鬼かな?

また、4巻特装版のCDでカバーされている『Vault that borderline!』。こちらもフェスで歌った設定なのでしょうが、ジュリアや瑞希が普段と歌い方を若干変えているのも印象的です。

 

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ライブ終了後のジュリアの表情、とても意味深です。

満足しているのか悔しいところがあったのか、それとも…。残念ながらジュリアの主な出番はここまでなので、ライブ後の心境は想像するしかありません。どこかで機会があればこのシーンのジュリアが何を考え、何を思ったのか触れてほしいところ。

 

ついでに唐突に自分語りをすると、上記のユニット5人、見事に全員私の推しなんですよね。

もしミリシタでこの5人がユニットを結成して新曲を歌ったりしたら…大変だなー、困っちゃうなー 。)チラッ

 

他にもジュリアの中学時代の姿や、壁ドンしている姿なども作中で見ることができます。

興味が沸きましたら、是非購入のご検討を!

 

 

ちなみに門司先生が現在連載中の『チャンドラハース』は本格ファンタジー物で、バトル描写に迫力があり、こちらもハラハラドキドキの展開です。

主人公の復讐相手の一人、バララーマというキャラがおまけ漫画の徳川まつりより怖い目をしている…。

 

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以上です、閲覧していただきありがとうございました!